手鞠

茶道具

手鞠と四季の草花を組み合わせてモチーフにしています。

手鞠はまあるい縁起物。
長い糸を丁寧に巻き付けて作ることから、長寿や末長い幸せを。
丸い形からは、家内円満やころころと物事がうまく運ぶようにと、願いが込められています。
手鞠の柄は、子供の幸せを願う親の願いも込められており
嫁ぐ娘に持たせたりもしました。

手鞠の起源は中国伝来の蹴鞠。
蹴鞠は、平安時代に、貴族の雅な遊戯として広まります。
(世界遺産に登録されている下鴨神社では、年の初めに“蹴鞠はじめ”が奉納され、その様子を見ることが出来ます。)
江戸時代になると、御殿女中たち(将軍家などの女中)の手芸として、糸かがりの“御殿まり”が大流行。
やがて、子供の玩具として手鞠が作られるようになりました。
今では、観賞用に変化し、色とりどりの糸を芯に巻きつけて模様を作り出す伝統工芸に。
各地でいろいろな美しい手鞠が作られています。

手鞠の魅力と、豊かな日本の四季それぞれの季節ごとの美しい草花を組み合わせて、季節感を楽しんでもらおうと、梅・竹・桜・菖蒲・桔梗・菊を描きました。
日本の伝統と季節感を表し、末長い幸せを願う縁起物としてのお茶盌です。